クリスマス絵 ある牛の悲劇 ~後編~web拍手を送る 彼は、抗えなっかった。 振り下ろされる鞭に悶え苦しみながらルゥヴィックは走る 何故、こうなってしまったのか。 何処で、選択を誤ってしまったのか。 今となっては全ての後悔はむなしく過ぎ去り、寒空に響くのは乾いた鞭の音のみ。 トナカイのそれと変わらぬ角。 そして、歌にもある紅い鼻を括り付けられ、彼はただ羞恥に耐える。 紅い服を着たかつての相棒からはいたわりの心は消え失せ、今では冷酷さしか感じ取れない。 そりを必死に引きながら、ルゥヴィックは思う。 ああ・・・ いつから、牛はトナカイになったのだろう・・・。 (完) ジャンル別一覧
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